空間木育化
子どもたちには、その地域で育った木を使った空間で、伸び伸び育ってもらいたい。木のもっている良さを五感で感じながら、遊んでもらいたい。そんな想いのもと、企業と連携して、子どもたちが過ごす空間に地域材を取り入れていく試みが始まっています。
東京おもちゃ美術館の空間監修について
例えば、多くのファミリーが集まる商業施設。ここに木のコーナーをつくりましょう。買い物の楽しみに加えて、親子で木のぬくもりを感じながら、深く密度の濃いコミュニケーションが行われます。木のおもちゃはその仲立ちをしてくれます。例えば、子どもたちが一日中長い時間を過ごす保育園。ここを「木育化」することで、子どもたちが「いのち」の大切さを知ることができます。材としての木(ウッド)は、もともとは、森の中に高くそびえていた樹木としての木(ツリー)だったのです。
こうした空間は、ただ「木質化」するだけでは十分ではありません。もちろんそれでも木の良さを五感で感じ取ることはできますが、そこに木の魅力を伝えるための「しかけ」や「しくみ」が必要です。その「しかけ」・「しくみ」をつくるため、東京おもちゃ美術館では、独自のガイドラインに沿った空間監修を行っております。このガイドラインによって、つくったあとも持続可能な木育空間にすることができます。
自治体誕生祝品事業の任意項目の1つです。
店舗・商業施設
良品計画
2013年4月に無印良品グランフロント大阪店オープンに先立ち、木育円卓会議が開催されました。そしてその場で、無印良品と東京おもちゃ美術館が「ウッドスタート宣言」を行いました。その具体的な取組として、無印良品店舗内に、東京おもちゃ美術館監修による国産材を使った「木育広場」の設置が進められ、これまでに有楽町店などの旗艦店を中心に、今では全国の約40箇所に広がるほどに。木育の魅力が全国のお客様に広がります。
GRiP’S
2015年9月、滋賀県にあるdocomoショップ栗東店、能登川店に設けられた木育ひろばには、東京おもちゃ美術館監修、パワープレイス株式会社、大建工業株式会社の3社の共同開発の「WOOD Cube(ウッドキューブ)」を採用しました。滋賀県内でdocomoショップを7店展開する株式会社GRiP'Sにより導入されたスペースは、国産材の木のおもちゃや、壁を使った遊びが楽しめるプレイコーナー。 スマホの普及により待ち時間が長くなったお客様を、子どもはもちろん、大人でもほっとできるような「温もり溢れる時間」に変貌させることに成功しました。
audi
アウディジャパンが掲げる「カスタマーディライト」を追求したキッズルームを、東京おもちゃ美術館とaudiで共同開発しました。良質な玩具や隆起した小山は、子どもたちの好奇心を刺激し、樹齢100年の杉ベンチや日光杉や長良杉でつくられた空間が親子の心地よい時間を演出しています。また、このキッズルームと同じコンセプトに基づき、アウディジャパンと東京おもちゃ美術館が共同開発したキッズコーナーが2013年 夏より、全国のショールームにも順次展開されています。(一部設置されない店舗も有。)
読売新聞社
読売新聞社新社屋内につくられた企業内保育園「よみかきの森」の一部及び運営に関するプロデュースを行っています。東京おもちゃ美術館選定のおもちゃ40種100点ほどが並び、京都北山杉、木曽の檜の車、飛騨高山の多樹種積み木などに加え、カウンター下収納型のオリジナルのキッチンセンターなどのままごと遊具も取り揃えています。木育ワークショップを行って社員がつくった木のおもちゃも置かれる予定です。
三菱地所レジデンス
2017年秋に西新宿に完成した、日本最高階数のタワーマンション「ザ・パークハウス 西新宿タワー 60」。その内部の、マンションの共用空間 「ENGAWA(エンガワ)」を、東京おもちゃ美術館監修のもと設営しました。木質化された内部は、おもちゃで遊べるスペースのみならず、ちょっとした飲食や本の閲覧ができます。全954戸の家庭が過ごすマンションの「多世代交流空間」です。
三井不動産
ららぽーと海老名に国産材をふんだんに使った木育ひろば「WOOD CUBE」と「WOOD EGG」を展開。東京おもちゃ美術館監修、パワープレイス株式会社、大建工業株式会社の3社の共同開発により産まれた「ウッドキューブ」は、 木質化された2畳サイズの立方体の中に、壁面等を利用した遊びのコンテンツが内包されており、キューブを2つ、3つと繋げていくことで 大きなプレイコーナーを設置することができます。フロアの中央に配置された「ウッドエッグ」は、三井不動産の保有林の間伐材を使って作られており、「遊びながら、会話しながら、 触れ合いながら、学ぶ」をコンセプトに、自然の大切さや森の再生について考えられるコーナーです。
子育てサロン
木育ルーム「なかよし」
長野県信濃町の子育て支援ルームのリニューアルを監修。空間コンセプトを「まちぐるみ」とし、町の自然や風土が感じられる空間を、町内の木材と職人さんを中心に作り上げました。また、東京おもちゃ美術館選定の木のおもちゃも導入しております。同町はこの木育ルームのリニューアルと共に、ウッドスタート宣言もしており、文字通り「まちぐるみ」で居心地の良い空間を作り上げることができました。
ふじのくに地球環境史ミュージアム内キッズルーム
静岡にある高校跡の校舎を改修してオープンした県立博物館内「ふじのくに地球環境史ミュージアム」。そこに設置されたキッズルームの監修を手がけました。元々教室として使われていたことを活かし、大きな黒板を再利用。東京おもちゃ美術館選定の木のおもちゃでも遊べるので、博物館を訪れた親子が足を伸ばして寛げると好評です。