2022年度に秩父市オリジナルおもちゃセット『Wooden Toy Set』を、東京おもちゃ美術館の監修で制作しました。
こちらのセットを運用するにあたり、2023年2月にボランティア養成講座を行い
秩父市の誕生祝品を担当されたおもちゃ作家さんたちから
それぞれのおもちゃや森や木への思いについてのレポート記事最終章です。
3作品目となる、秩父市の誕生祝品「木守のおうち」を制作されたのは、えとき工舎の
中村恵美子さんです。
講座で「ひたすら作っているので、しゃべりが下手です」との前置きに、お人柄がにじみ出ていて、ほんわか暖かい気持ちになりました。
さて、そんな中村さんですが、まず工房の名前の由来は「絵と木が好きだから」。そしてアダチユミコさんと同じく、秩父の自然が好きで川の側で暮らしたく、都内から20年ほど前に移住してきたそうです。
おもちゃの制作は、趣味としては20年前から、そして本格的に製作を開始したのは5年ほど前からだそう。
自然が大好きで、それを秩父の子ども達にも大切にしてほしいと思い、おもちゃを作り始めたとのこと。
「木守のおうち」は型をはめて遊ぶおもちゃですが、それぞれのパーツの中に
大豆や鈴を入れ、魚と鳥のモチーフには色付きのビー玉を入れてあり、「色のキレイさを感じてほしい、そして名前や形を覚えてほしい」という思いが込められています。
そして秩父市のオリジナルセットの中にも、もちろん中村さんのおもちゃが複数あります。
なかでも、おままごとセット(秩父市オリジナルバージョン)は、秩父市の特産品を作ってほしい!との無茶ぶりにもかかわらず
【イチゴ、かぼす、さつまいも、しゃくし菜、しいたけ、ヤマメ、おまんじゅう、味噌豚肉、きゅうり】を、一点一点手書きのイラストで、制作いただきました。
他にもセットの什器としてのパーテーションを、秩父産材のシオジで制作してくださっています。
そして中村さんにも質問してみました!
その一『木の魅力とは?』
→ おもちゃ作りに使われるのは、基本的に硬い木ですが、秩父市のはやわらかい木が多いです。そのため、やわらかい材の方は作るのが楽ですが、キズがつきやすいので神経を使うため、とても大変です。
そのニ『木製玩具って、どうして高いの?』
→手間代です。磨いて、組み立てる作業ですが、
機械で作っていても、最後は手作業をしています。
作るのは簡単ですが磨きが大変なので、手の指紋がなくなってしまっています。
ツルツルしてしまい、段ボールなどが持てません。
「木のおもちゃは高い」とよく言われますが、おもちゃ作家さんたちが口を揃えておっしゃったことは、制作には手間がかかり磨くことはとても大変な作業だということ。
森林大国日本の木のおもちゃ作家、そして職人の技術によって作り上げられた”木のおもちゃ”は、時間の経過と共に少しづつ木の風合いが変化していきます。
その過程も楽しめるのは、やはり木の良さなのではないでしょうか。
さて、3人のおもちゃ作家さんのレポートは、いかがでしたでしょうか。
秩父市オリジナルおもちゃセットを使ったイベント「秩父市木育おもちゃひろば」が
3月21日(火)に予定されており、
おもちゃ制作のワークショップも多数予定されています。
詳細は分かり次第お知らせしますので、お楽しみに!
※誕生祝品制作のおもちゃ作家さんたちのレポート記事はこちらから
森画/モクモクキカク アダチユミコさん https://www.mokuikulabo.com/post/titibu_adachi
mamamano 江幡三香さん https://www.mokuikulabo.com/post/titibu-ebata
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